ミント・ジュレップとはバーボンウィスキーがベースになったカクテルで、ケンタッキーダービーのオフィシャルドリンク。ダービー開催中はもちろん、その前後にある社交パーティや友人同志の集まり、また結婚式などでもよく飲まれます。
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普通は、バーボンウィスキーとフレッシュなミントの葉を使って作りますが、ミントジュレップ用に初めから風味がつけられた砂糖やシロップ、またバーボン自体にミントの味がついていて、氷を足すだけでOKというものもあります。
ダービーの観客に提供されるミントジュレップ
ケンタッキーダービーと前日に開催されるオークスの二日間を合わせると、チャーチルダウンズ競馬場で提供されるミントジュレップの数はなんと12万杯にものぼり、これだけのミントジュレップを作るために1万本のウイスキーと450キロの新鮮なミントが使われるそうです(kentuckyderby.comより)。数字が大きすぎて、その量を想像するのは難しいですが。
この、ミントも日本の可愛らしいショートケーキの飾りとしてチョコンと乗ってるミントじゃなくて、葉が2センチくらいの大きいミントです。太い茎付きでカップに刺さされて出されるので、その姿はもうミントというよりは、ブラッディマリーのセロリのよう。これをマドラー替わりにして、混ぜながら氷を溶かすと良いそうです。
お昼頃にはもう飲み始めて、メインのレースが始まる頃にはもうベロベロになって、肝心のレースを見忘れたなんていう人も少なくありません。美味しいのですが、飲むのは1杯くらいにするのがお勧めです。
銀のジュレップカップ
カクテルや飲むお酒によって器が変わるように、ミントジュレップにも専用のカップがあります。現在、一般的に流通しているのはステンレスのカップが多いですが、19世紀頃は銀のカップが使われていたそうです。
その理由は
氷を冷たく保つ効果
銀のカップは熱伝導率が高いため、氷を長時間冷たく保つことができます。これは特に暑い南部の気候で、ミントジュレップを飲む際に重要な要素でした。
伝統とエレガンス
銀のカップは高級感があり、ミントジュレップを飲む際の伝統的な要素としてエレガントな雰囲気を演出します。これはケンタッキーダービーが始められた当初のコンセプトに合い、社交的なイベントや競馬場でのレース観戦など、特別な場面でとても重宝されました。
防錆効果
銀のカップは錆びにくく、丈夫で長期間使用しても品質が劣化しにくい特性があります。コストパフォーマンスの高さから長期的な使用において経済的な選択となりました。
個々の味を損なわない
銀のカップは金属特有の味がしないため、ミントジュレップの風味を損なうことなく楽しむことができます。
こういう理由から、ミントジュレップは銀のカップで提供されていたのですね。ステンレスの他にも、陶器のものやガラスなど色々なデザインのものがあります。お気に入りを見つけて、自宅でもミントジュレップをぜひ楽しんでください。